1 総合労働相談コーナーにおける相談・情報提供


 個別労働紛争が発生する原因の中には、単に法令や判例を知らないことや、誤解に基づくものが多くみられます。そのため、労働問題に関する関連情報を入手したり相談をすることにより、紛争に発展することを未然に防止、または紛争を早期に解決することができます。このため、奈良労働局(雇用環境・均等室)にはその出先機関として「総合労働相談コーナー」を設置し、総合労働相談員を配置しています。
 総合労働相談コーナーでは、労働条件、募集・採用、男女均等取扱い、職場環境を含め、労働問題に関するあらゆる分野の労働者、事業主からのご相談を専門の相談員が、面談あるいは電話でお受けします。




2 都道府県労働局長による助言・指導


 実際に紛争状態にある方々に、個別労働紛争の問題点と解決の方向を都道府県労働局長が示すのが、「都道府県労働局長による助言・指導」です。なお、これは、紛争当事者に一定の措置の実施を強制するものではありません。
 対象となる紛争の範囲は、「労働条件その他労働関係に関する事項について」の紛争です。

 

 



個別労働紛争の具体的内容

解雇、配置転換・出向、雇止め、労働条件の不利益変更等の労働条件に関する紛争

事業主によるいじめに関する紛争

会社分割による労働契約の継承、同業他社への就業禁止等の労働契約に関する紛争

募集・採用に関する紛争 など



※「助言・指導」を行った事例は助言・指導事例でご覧になれます。


都道府県労働局長による助言・指導の手続きの流れの図

◎助言指導を行った事例

ケース1:解雇通告をされた後、退職届に署名押印を求められました>(労働者からの申出)


 労働者Aは、工場の一般労働者であるが、○月△日、5分程度遅刻して出勤したところ、工場長から「辞めろ!クビだ!」と怒鳴られた。その後、工場長は、退職届の用紙を労働者Aに突き付け署名押印するように要求したが、労働者Aはこれを拒否した。
 この件について、労働局は、「「辞めろ!クビだ!」と言ったのであれば、解雇の意思表示自体は有効である。また、5分程度の遅刻1回だけでは、一般的には解雇理由としては認められない。」旨の助言を行った。
 これに対し、会社は、「労働者Aの遅刻は、毎日のように繰り返されており、再三注意してきた。今回は、前日に「これ以上遅刻を繰り返すようであれば辞めてもらう。」と警告していた。また、会社としては、本件を解雇とは考えていない。」との返答であった。
 これについても労働局は、「事情は理解したが、一度なした解雇の意思表示自体は相手方の同意がなければ撤回できない。合法的に処理すべきである。」と指導を行った。
 この結果、解雇予告手当が支払われ、労働者Aは納得した。

ケース2:損害賠償の支払いで話合いがつきません>(事業主・労働者双方からの申出)


 労働者Bは、トラックによる配送の仕事を行っているが、仕事中、会社のトラックで事故を起こし、会社に約200万円の損害を与えた。
 会社は、この件で労働者Bに対し、全額の損害賠償を請求した。労働者Bは「支払う意思はあるが、一度に全額は支払えない。」と主張した。
 労働局は、本件について会社に対し、「一般的に、労働者が会社に損害を与えた場合でも全額が労働者負担として認められるとは限らず、労働者の過失の度合いによって変わるものである。労働者は支払意思を表明しているので、例えば、分割払等の方法を検討してはどうか。」と助言した。
 これに対し会社は、「本件では労働者Bの落ち度は大きく、会社としては基本的に全額を一括して支払って欲しいと考えている。しかし、スムーズに支払いをしてくれるならば、助言のとおり分割払でも構わないし、減額にも応じる。」との返答であった。
 労働者Bは、「支払いを約束する。再度、会社と話し合いたい。」とのことであった。話合いの結果、会社は相応の減額に応じ、分割払で支払いをしていくことで合意した。





3 紛争調整委員会によるあっせん


◎あっせんとは

 紛争当事者の間に第三者が入り、双方の主張の要点を確かめ、場合によっては、両者が採るべき具体的なあっせん案を提示するなど、紛争当事者間の調整を行い、話合いを促進することにより、紛争の円満な解決を図ります。

◎紛争調整委員会とは

 弁護士、大学教授等の労働問題の専門家である学識経験者により組織された委員会であり、都道府県労働局ごとに設置されています。この紛争調整委員会の委員のうちから指名されるあっせん委員が、紛争解決に向けてあっせんを実施します。

◎紛争調整委員会によるあっせんの特徴


 労働問題に関するあらゆる分野の紛争(募集・採用に関するものを除く)が対象です。


 多くの時間と費用を要する裁判に比べ、手続きが迅速かつ簡便です。


 弁護士、大学教授等の労働問題の専門家である紛争調整委員会の委員が担当します。


 あっせんを受けるのに費用はかかりません。


 紛争当事者間であっせん案に合意した場合には、受託されたあっせん案は民法上の和解契約の効力をもつことになります。


 あっせんの手続きは非公開であり、紛争当事者のプライバシーを保護します。


 労働者があっせんの申請をしたことを理由として、事業主が労働者に対して不利益な取扱いをすることは、法律で禁止されています。


※1「あっせん申請書」の様式はあっせん申請書様式からダウンロードできます。
※2「あっせん申請書」の記載例はあっせん申請書記載例でご覧になれます。
※3「あっせん」によるトラブル解決事例はあっせん解決事例でご覧になれます。


紛争調整委員会によるあっせん手続きの流れの図

あっせん申請書の記載例

あっせんによるトラブル解決事例のご紹介




ケース1:解雇・退職金支払いで話合いがつかない>(労働者からの申請)



【申請内容】

  Xさんは、15年間、工場の製品管理担当として特に問題なく働いてきました。ところが、最近、工場で製造した製品に不具合が見つかり、多量の製品が返品になった上に、小口の取引先との受注を打ち切られてしまいました。この製品不具合の原因は、機械の故障のためでしたが、機械の故障を見抜けなかったのはXさんの責任とされ、Xさんは、会社から「今回の件について、責任を取って辞めていただく。退職日はあなたに任せる。また当社規程により退職金は支払わない。」と言われました。そのため、Xさんは、これを会社からの事実上の解雇通知であると判断し、すぐに辞表を出して退職しましたが、退職金が支払われないのはおかしいと考え、規程どおりの退職金と解雇に係る慰謝料を請求しましたが、応じないため、あっせんを申請しました。

 



【解決内容】

あっせんの結果、両者に歩み寄りがあり、Xさんには解決金として給料の○か月分の△万円を支払うことで合意が成立しました。

 



ケース2:解雇の撤回に応じなかった>(労働者からの申請)



【申請内容】

  Yさんは、事務職として3年間働いていましたが、ほぼ毎日のように5分から10分程度の遅刻・早退を繰り返しており、就労態度も良くありませんでした。Yさんの上司は、このことをYさんに常々注意したいと考えていましたが、職場の雰囲気が悪くなることから何も注意を行いませんでした。
 ところが、最近になって、Yさんは、「毎日10分程度の時間外労働を行っているので、その分の残業手当3年分を支払って欲しい。」と要求したため、これに怒った上司は、「今まで、遅刻・早退が多いので、あなたを解雇する。残業手当は遅刻・早退分で相殺します。」と通告したため、Yさんは「解雇の理由に納得がいかない。解雇の撤回又は、それが無理ならば給料○か月分の補償金を支払って欲しい。」と要求しましたが、いずれも応じてもらえず、あっせん申請を行いました。

 



【解決内容】

あっせん委員が調整した結果、解雇の撤回には至りませんでしたが、要求どおり給料○か月分の和解金を支払うことで合意が成立しました。

 



ケース3:口頭約束にもかかわらず、契約更新をしてもらえなかった>(労働者からの申請)



【申請内容】

  Zさんは、なるべく長く働ける会社を探して就職活動をしていたところ、ある会社の人事担当者から、「雇用期間は3ヶ月ごとに契約更新するが、基本的にはずっといてもらう。」と言われ、この会社に採用されました。但し、労働条件の文書通知はありませんでした。
 ところが、Zさんは入社して最初の契約満了の1週間前に、「雇用契約の更新はしません。」と言われました。Zさんは約束が違うとして、「突然の雇い止めに対して、今後1年間の雇用保障又は○か月分の賃金相当額の補償金」を要求しましたが応じてもらえず、あっせん申請を行いました。

 



【解決内容】

あっせん委員より、両者の歩み寄りを促したところ、会社はZさんに△万円の解決金を支払うことで合意が成立しました。

 



ケース4:退職金支払いで話合いがつかない>(事業主・労働者双方からの申請)



【申請内容】
  事業主は労働者AさんとBさんの退職に際し、退職金制度がないことを踏まえ、退職金の支給を口頭で約束し、支払い交渉を行いましたが、度重なる交渉で感情的な対立も激しくなり、金額の隔たりも大きく、当事者同士の話合いが不可能な状況になりました。事業主と労働者の双方があっせんを申請しました。
 



【解決内容】

あっせんの結果、Aさんには○万円、Bさんには△万円を支払うことで合意が成立しました。

 



ケース5:1年間の派遣労働契約が10か月で打ち切られた>(労働者からの申請)




【申請内容】

  Dさんは派遣会社と1年間の有期契約を締結していましたが、派遣先の都合により 10か月で派遣契約が打ち切りとなり、その後、派遣会社は、別の派遣先を紹介することなく放置し、1年契約期間到来とともに雇用期間満了による退職扱いとされました。派遣契約終了後、放置された期間について、派遣会社に補償として○か月分の賃金の支払いを求めて、あっせんの申請をしました。

 



【解決内容】

 あっせん委員により派遣契約の打切りがあったとしても、雇用期間を一方的に短縮できないこと等を踏まえ、両者の歩み寄りを促したところ、派遣会社はDさんに△万円の解決金を支払うことで合意が成立しました。



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